7月の4連休を利用して、ザンビア国内、シアボンガへ、2泊3日の旅行に行くことにしました(旅行の記事へ:ザンビア シアボンガ2泊3日旅行)。
カリバ湖については、少し触れましたが(カリバ湖の記述:カリバ湖について)、もともとカリバ湖は、銅鉱山で必要となる電気を発電するための、ダムの建設によって誕生した湖。そしてこのダムは、カリバダム(Kariba Dam)と呼ばれ、現在、世界一の貯水量を誇っています。
ザンビアは、電力の8割以上をダムによる水力発電に頼っています(以前の関連記事:雨季、恵みの雨で変わる停電事情)。現在の12時間に及ぶ計画停電は、旱魃のためにカリバダムをはじめとするダムの貯水量が減ってしまっているのが原因。そのカリバダム、シアボンガから車で20分の距離に位置しているので、滞在2日目の午後に見に行けたらいいなと漠然と考えていました。
2日目の午前中にゲームウォークをした際(ゲームウォークの記事:Lake Kariba innsでゲームウォーク?に参加してみた)、ブライアンさんにカリバダムの行き方を尋ねたところ、ホテルに聞いてみて大丈夫なら案内するよ、と嬉しいお話。ブライアンさんが一緒にゲームウォークをした若者カップルにも声を掛け、最終的にそのまま4人で出かけることになりました。
ホテルのアクティビティには、ダム近くまで船で行くクルーズプランはあるものの(結構遠くから眺める感じ)、ダムに直接行くプランはありません。若者カップルも、はじめにカリバダムに行く話を聞いたときは、「ダムを見に行くってどういうこと?」という反応だったので、シアボンガはリゾートを楽しむところ、現地の方は、あんまりダム自体に興味がないのかも。
カリバダムへの行き方
ブライアンさんに黄色い車に一緒に乗ってもらい、まずはLake Kariba Innsから20分弱のところにある、Zambia Revenue Authority Karibaへ向かいます。ルサカから来たときに通ったM15の幹線道路まで戻って右折、ジンバブエ側へまっすぐ進みます。

シアボンガの人々はダムの恩恵を受けて、電力関係の仕事についているのかと思っていました。ブライアンさんによると、資格などが必要な仕事なので、他の地域から来て働いている人が多いとのこと。ザンビアの電力会社、Zescoの社員寮も町中にありました。シアボンガの人は基本的に漁業か、ホテルやロッジなどの観光業で働いているそうです。計画停電に関しては、シアボンガは少し優遇されていて、平日のみ、7:00-14:00の停電だけで済んでいるそう。
M15幹線道路のダム方面への景色は、送電塔が立ち並んでいて圧巻です。これを通ってルサカへも電気が送られているのかな。
カリバダム見学の手続き
Zambia Revenue Authority Karibaについたら、DEPARTURE ENTRANCEから入り窓口で手続きをします。深く考えていませんでしたが、カリバダムはジンバブエとの国境に位置していて、ザンビアとジンバブエ共同で平等に管理されています。ダムに入るなら、入国管理所での手続きが必要とのこと。

去年、リビングストンでVictoria Falls Bridge(ビクトリアフォールズ橋)を渡ってジンバブエへ日帰り旅行にいきましたが、(リビングストンの記事:リビングストンからジンバブエに日帰り旅行に行ってみた)同じ感じ。ただ、ジンバブエ側には入国はしないので、IDカード(もしくはパスポート)をここに預ける必要がありました。その後、車で入るため、別の窓口で橋の通行料としてK27を支払って、車のナンバーを記載をした通行許可証のようなものをもらって手続き終了。スムーズに手続きが済んだので、ブライアンさんに一緒に来てもらってよかったです。
再度車に乗って、ゲートで通行許可証を見せ、カリバダムに向かいます。横道もありますが、ひたすらまっすぐに数分行くと、ダムに到着。入り口付近に駐車場があるので、車を駐車して、徒歩で見学を始めました。


カリバダム見学
人は少なくてゆっくり見学ができました。実際には、ダムの中央がジンバブエとの国境ですが、ダムを渡りきったところまでは自由に行き来できます。カリバダムはイギリス植民地時代、フランス人技術者によって設計された二重アーチ式コンクリートダム、アーチ型に作ることで水圧を両岩盤に分散させて支えています。建設の完了までに多くの作業員の命が、事故などで失われたそう。
ダム中央に設置されている洪水吐は、ザンビア側、ジンバブエ側と3つずつ管理していて、ここ数年は降水量が少なく、放水は行われていないとのこと。なので、下ではクレーン車などが洪水吐下の川底の改修作業を行っていました。ダム建設初期の洪水による大量の流出などで深く浸食されてしまったことが原因のようです。ダムの完成から60年、定期的にメンテナンスをして、維持していくことはかなり大変そう。

カリバ湖は、一見して水位が下がっているようには見えませんでしたが、水力発電は水位 475.50mから488.50mの間で行う必要があるそうです。Zambezi River Authorityという、ダムを関している機関のサイトをみると、7/3の時点で477.28mまで水位が下がってきているので、次の雨季まで持つんだろうか(ダムのサイト:Zambezi River Authority)。(下記イメージはクリックで拡大します)







12:00にLake Kariba Innsを出発して、戻ってきたのは14:00頃、カリバダム見学を満喫できました。案内してくれたブライアンさん、とてもいい方で、奥さんとお子さんの写真なども道すがら見せてくれました。今回は、あくまで好意で案内してもらった形だったので、最後にチップをお渡しして終了となりました。
ちなみに一緒に来たカップルは途中でカメラマンに声を掛けられ、ダム見学中ずーっと二人の写真を撮ってもらっていました。料金はK200(日本円にして1,300円弱)だそうです。