シュトーレンを作ってから10日間経過し、すでに食べ切ってしまいました(シュトーレンの記事:ザンビアでクリスマス気分 シュトーレンを作ってみた)。クリスマスまでまだあるし、去年2回作ったので、また作ろうかと悩んでいたところ、Shopriteで大量に並んでいるパネトーネ(パネットーネとも)とパンドーロを発見。パネトーネとパンドーロはイタリアの伝統的なクリスマスに食べるパン菓子で、数年前から日本でも人気が出てきていますが、ここザンビアにまで進出しているなんてびっくり。


初めてパネトーネを食べたのは、今年の3月にスペイン旅行に行ったとき(スペインではパネトン)。賞を獲った有名店のものを食べさせてもらったのですが、オレンジとチョコレートの組み合わせが新しく、記憶に残りました(パネトーネの記事:イースター休暇でスペイン旅:スペインの食べ物 夕食&おやつ編)。ザンビアで売られているのは、買うとK379.9(2024年12月現在 2,117円強)、おいしいかも不明なのでこの金額はとても微妙。ということで、今年はパネトーネを、簡単あるもので、自分好みに作ってみることにしました。
材料(底部19×9×H6cm パウンド型 1台分)
ラムレーズン
- レーズン 100g
- ラム酒 大さじ3 (Captain Morganのラム酒を使いました)
中種
- 強力粉 200g
- 小麦粉 50g
- ドライイースト 3g
- ヨーグルト 150g
本捏ね
- 無塩バター 50g
- 砂糖 20g
- 塩 3g
- マーマレード 大さじ2
(今回は自家製を使用。マーマレードの記事へ:ザンビアでマーマレードジャムを作ってみた) - 卵黄 50g(ザンビアの卵で3個分ほど)
- チョコレート 50g(お好きなもの、チョコチップでも。今回はダークチョコレートを使用)
トッピング
- アーモンドプードル 15g
- 粉糖 15g
- 卵白 20g
作り方
パネトーネは、北イタリアの特定の地方の酵母、乳酸菌を持ったパネトーネ種を使って作られるそう。この種のおかげで、保水性があり、日持ちのするパンができあがるとのこと。日本ではパネトーネが人気になってきたので、家庭で使えるように、パネトーネマザーという、イーストと合わせた使いやすい専用の粉末が売られているみたいです。もちろん、ザンビアでは手に入らないので、ドライイーストと乳酸菌代わりのヨーグルトを使用して、今回は気分だけ楽しむなんちゃってパネトーネ風にします。

事前準備(前日~1週間前)ラムレーズンを作っておく
オレンジピールやミックスドライフルーツが欲しかったのですが、適当なものが見当たらず、今回フルーツは、マーマレードとレーズンを入れることに。レーズンは、1週間から前日までに、レーズンをお湯で洗って、ラム酒に漬け込んで冷蔵庫へ入れておきます。
今回、普通のレーズンが見当たらず、枝付きのやや良いレーズンを使用しました。これはオイルコーティング無しなので、お湯洗いは不要。その代わり、半分に切って、枝と種を取る必要があり、それからラム酒に漬けました。ラム酒は、シュトーレンの時に使った、Captain Morganを利用。去年は1瓶買うなんてと思いましたが、なんだかんだでお菓子に使う機会が多く、もうすぐで使い切ります。
今回は、途中で長期停電が入ったので、ラム酒に漬けて4日目のものを使用。生地に合わせる前に、まだ水分が残っている場合は、ざるなどで水気を切っておきます。



中種を作る
今回は生地に色々と練り込むので、発酵を促進させるために、先に中種を作っておき、そこに材料を混ぜていきます。まずは、中種の作り方。ヨーグルトにドライイーストを混ぜ、粉類と合わせます。水分量が少ないので、かなり固い生地。ヨーグルトの水分量によっても状態が異なるので、あまりにまとまらないようでしたら、ヨーグルトか牛乳などを足してみてください。粉っぽさが無くなるまで、ボール内で手でこねたらOK。ラップをして、40℃で40分ほど発酵させます。ザンビアのオーブンには発酵機能はついていないので、いつものように、何となく1分ほど庫内を温めて、入れておきました。



本捏ね、1次発酵
中種を発酵させている間に、室温に戻したバターを泡立て器でクリーム状にし、砂糖、塩、マーマレード、分離しないように室温に戻した卵黄を順に混ぜ合わせておきます。気温が高いようであれば、混ぜ終わったら冷蔵庫に置いておきます。
また、生地に入れるチョコレートをお好みの大きさにカットしておきます。今回はダークチョコレートを使いましたが、チョコチップが手に入る場合は、それでも大丈夫。



発酵を終えた中種に、混ぜておいたバター類を、3回くらいに分けて練り込んでいきます。かなりベトベトする生地なので、根気強くカードを使って、20分くらいかけてたたきごねを中心に、生地をまとめていきます。だんだん手に付かなくなってくるので、端を切って伸ばしてみて薄くまくが張るようなら、こねは完了。




最後に、生地を大きく広げて、水分を切ったレーズンと、細かく切っておいたチョコレートを均等になるまで混ぜ、ひとまとめにしたら、ラップをして、2倍の大きさになるくらいまで、40℃で50分ほど1次発酵させます。



成形、2次発酵
パネトーネ用のカップなどを探してみたのですが、適当なものが見当たらなかったので、今回は、パウンドケーキ型を利用します。そのため、1次発酵が終えた生地を、ガス抜きをして、3分割(240gほど)して丸め直し、乾燥しないようにラップをして、10分ほどベンチタイムで生地を休ませます。


10分後、生地を再度ガス抜きして、パウンドケーキ型の幅に合わせて成形し(広げ、サイドを折り、手前から丸める)、パウンドケーキ型に入れていきます。このとき、焦げ付きを防ぐため、レーズンやチョコレートが表に出ないようにします。型に入れたら、40℃で50分ほど、型の高さよりちょっと出るくらいまで(2倍になるくらいまで)2次発酵させます。



トッピング、焼成
2次発酵している間に、トッピングはグラニュー糖をかけておく、切れ込みをつけてバターを入れるなど、お好みでいいと思います。今回は生地に卵黄だけ使って、卵白が余っていたので、振るったアーモンドプードルと粉糖に、卵白を加え、とろっとするまでよく泡立て器で混ぜたもの準備しました。これを、2次発酵が終わった生地の上にたっぷり塗って、さらにたっぷり粉糖を振って、190℃に予熱しておいたオーブンで25分ほど焼きます。




焼き上がったら、20cmほど上から落として中の空気を抜いて、型から外して網の上で冷まします。本当のパネトーネは、へこんだりしないように、根本に串を刺して、逆さまに冷ますそうです。


食べてみて感想
乾燥しないように、中心から切り出して、さっそく食べてみました。焼きたてだったのもあって、フルーツケーキとパンの中間という感じで、しっとりふわふわな仕上がり。甘さもちょうどよく、オレンジとチョコレートがいい感じ。スペインで食べたパネトンは、気泡が大きく、見た目に反して軽い口当たりだった印象だったので、長時間かけて発酵させる本物にはかなわないものの、それなりにおいしいです。



本物のパネトーネは、常温保存で2週間~1か月もつそうですが、このザンビアの暑くて湿度の高い時期は、恐らくこのパネトーネ風は手作りパンと同じくらい、常温なら2日でダメになりそうな感じ。パサパサになりそうですが仕方なし、冷蔵庫で保管して、味が変わるのも楽しみに、クリスマスまで数日、少しずつスライスして食べていきたいと思います。
実は、当初作ろうと思っていた日から、怒涛の62時間の停電が始まり、やっとこの日、パネトーネを焼くことができたのでした。一体何でこんなに長時間の停電だったのか、クリスマスに向けた蓄電計画だと思うことにします。