パラマウント・チーフは大統領より偉い?

生活

先日、話の中に、初めてパラマウント・チーフという言葉が出てきました。なんでも、ガソリンスタンドにパラマウント・チーフの孫がいらしたそうで、聞きなれない言葉「パラマウント・チーフ」って?と質問すると、「パラマウント・チーフは大統領より偉いんだ」と。?大統領より?

以前記事の中で、ザンビアは多民族国家なので、さまざまな言語が話されていると書きました(記事へ:zikomoは魔法の言葉)。ザンビアの歴史に不勉強だったのですが、調べてみると、ザンビアはイギリス植民地時代、チーフと呼ばれる各部族長を利用した間接統治が取られ、今もそれが引き継がれてきているそう。1964年の独立以来、ザンビアは大統領制の共和国ですが、地域によっては現代でもチーフが影響力を持っています。政府は4人のパラマウント・チーフ(最高位の首長、または王)、そしてその下の43人のシニア・チーフ(チーフのまとめ役)、241人を超えるチーフ(地域・民族ごとのリーダー)を正式に登録して存在を公に認めているとのことです。

10月24日の独立記念日の装飾イメージ
10月24日の独立記念日の装飾

首都ルサカでは、いろいろな民族の人々が集まっているのでその影響力は限られていますが、地方では今でもある程度民族ごとにまとまっていて、任命されたチーフが、村ごとの住民登録や土地の管理を行い、地方行政や司法を取り仕切る役割を、継続的に担っています。今でもザンビアでどこの民族か重視される理由のひとつが、ここにあるんですね。

パラマウント・チーフの孫にお会いしたということは、偶然ガソリンスタンドで、ロイヤルファミリーのひとりに出会ったような感覚でしょうか。みんなそうなわけではないかもしれませんが、同じ民族間であれば冗談が言えることでも、他民族間では問題になることもあるそう。日本人からみたらすべてザンビアの人ですが、ザンビアの人から見たら、どこの部族の人か、お互いに認識しているみたいです。なかなか今の日本人にはない感覚です。

パラマウント・チーフが大統領より偉いかと言うと、そもそもザンビアでも部族長を持たない民族もいるので、民族や個人の民族意識によって解釈が違うかもしれません。でも、自身の民族の王様のような存在なら、確かにどっちも別次元で偉い方ですね。

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